ガス溶接技能講習と作業主任者の違い|どちらが必要か
「ガス溶接技能講習」と「ガス溶接作業主任者」は、名前が似ていますが、法律上の役割が違います。
技能講習は、ガス溶接の業務に就くための資格です。作業主任者は、特定の装置を使う作業で、事業者が選任する責任者の資格です。
この記事では、労働安全衛生法・施行令・規則の条文をもとに、2つの違いと、自分にどちらが必要かの見分け方を整理します。
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2つは法律上の役割が違う
| 項目 | ガス溶接技能講習 | ガス溶接作業主任者 |
|---|---|---|
| 法律上の位置づけ | 就業制限(労働安全衛生法 第61条) | 作業主任者の選任(労働安全衛生法 第14条) |
| 対象 | 可燃性ガス及び酸素を用いて行なう金属の溶接、溶断又は加熱の業務(施行令 第20条第10号) | アセチレン溶接装置又はガス集合溶接装置を用いて行う金属の溶接、溶断又は加熱の作業(施行令 第6条第2号) |
| 意味 | その業務に就くために必要な資格の一つ | その作業で、事業者が選任する責任者の資格 |
| 取り方 | 技能講習を修了する | 免許試験に合格し、免許を受ける |
出典:労働安全衛生法 第14条・第61条/労働安全衛生法施行令 第6条第2号・第20条第10号(e-Gov法令検索)
ガス溶接の業務に就けるのは誰か
労働安全衛生規則 別表第三は、施行令 第20条第10号の業務(可燃性ガス及び酸素を用いて行なう金属の溶接、溶断又は加熱の業務)に就くことができる者として、次の3つを挙げています。
- ガス溶接作業主任者免許を受けた者
- ガス溶接技能講習を修了した者
- その他厚生労働大臣が定める者
つまり、ガス溶接作業主任者免許を受けた人は、この業務にも就くことができます。
作業主任者が必要になるのは2種類の装置を使うとき
労働安全衛生規則 第314条は、施行令 第6条第2号の作業について、ガス溶接作業主任者免許を有する者のうちからガス溶接作業主任者を選任しなければならないとしています。対象になる2つの装置は、施行令 第1条で次のように定義されています。
| 装置 | 定義の要点 |
|---|---|
| アセチレン溶接装置 | アセチレン発生器、安全器、導管、吹管等により構成され、溶解アセチレン以外のアセチレン及び酸素を使用して、金属を溶接・溶断・加熱する設備 |
| ガス集合溶接装置 | ガス集合装置、安全器、圧力調整器、導管、吹管等により構成され、可燃性ガス及び酸素を使用して、金属を溶接・溶断・加熱する設備 |
「ガス集合装置」は、次のどちらかに当たる装置です。
- 10以上の可燃性ガスの容器を導管により連結した装置
- 9以下の可燃性ガスの容器を導管により連結した装置で、容器の内容積の合計が、水素または溶解アセチレンの容器は400リットル以上、その他の可燃性ガスの容器は1,000リットル以上のもの
どちらが必要かは2つの質問で分かる
| 質問 | 「はい」のとき |
|---|---|
| 1. 可燃性ガスと酸素を使って、金属の溶接・溶断・加熱の業務をするか | ガス溶接技能講習の修了(またはガス溶接作業主任者免許など)が必要です |
| 2. その作業で、アセチレン溶接装置かガス集合溶接装置を使い、あなたが作業主任者に選任されるか | ガス溶接作業主任者免許が必要です |
作業主任者を選任するのは事業者です。自分の職場の装置がどちらに当たるか、誰が選任されるかは、職場の安全担当者に確認してください。
作業主任者の免許には技能講習が関係することがある
ガス溶接作業主任者免許を受けられる人の条件の一つに、「ガス溶接技能講習を修了した者であつて、その後三年以上ガス溶接等の業務に従事した経験を有するもの」があります(労働安全衛生規則 別表第四)。
くわしくは合格だけでは免許が出ない理由の記事にまとめています。作業主任者の仕事の中身は職務の記事で整理しています。
出典
- 作業主任者の選任・就業制限:労働安全衛生法 第14条・第61条
- 装置の定義・対象の作業と業務:労働安全衛生法施行令 第1条・第6条・第20条
- 選任・業務に就ける者・免許の条件:労働安全衛生規則 第314条・別表第三・別表第四